2人目がほしいけど、義兄が筋強直性ジストロフィーを発症しました。発症前遺伝子検査や遺伝カウンセリング、治療・リハビリについてレポートします。

筋強直性ジストロフィーの家族計画・介護計画

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遺伝カウンセリング

遺伝カウンセリング2回目。心理テストなど本格化。検査日程が決まってドキドキ・・

投稿日:2017年1月29日 更新日:

状況のアップデートを報告しました

お義父さんの入院、治療拒否で急きょ帰省したことなどを伝えました。その際の神経内科医の診察のひどさも・・。お義兄さんの方はリハビリをしているところを見学したこと、あまり様子に変わりはないが、他人(理学療法士)と話すことが精神的に良い影響を与えているように見受けられることを話しました。

 

前回より掘り下げた質問にこたえていただきました

遺伝子検査の結果は陽性/陰性で出るのか?CTGリピート数が出るのか?

【質問】

筋強直性ジストロフィーは、19番遺伝子のDMPKの中でCTGリピートが何回起きているかで重症度が変わります。私が疑問に思ったのは、遺伝子検査の結果は「あなたは筋強直性ジストロフィー 陽性です/陰性です」という風にわかるのか?それとも「あなたのCTGリピート数は○○回なので健常/軽症/古典/先天型です」という風に出るのか?もしそうならギリギリのリピート回数だったときにどのような考え方をすればよいのか?ということでした。

【回答】

DMPKのCTGリピート数がわかるが、○○回、という風にでるのではなく○○回~○○回という風に幅を持ってわかる。軽症/古典/先天型というのは目安にしかならない。回数だけでなく、その他の体質などで、出てくる症状やその順番や強さは人それぞれ異なる。正常域は38~49回で決まっているので、49回は健常と判断できる。

 

父親由来遺伝の場合の、表現促進現象について

【質問】

筋強直性ジストロフィーでは、通常、母親から子どもへ遺伝するときに、病気の症状が重くなることが多いそうです(表現促進現象)。ところが、今回は父親からの遺伝なのに、父親よりはるかに重症化して息子が発症しています。これはどう考えたらいいのか?ネットで検索しても通常の表現促進現象の話しか見つけられなかったので、質問してみました。

【回答】

子どもが生まれてみて先天型の筋強直性ジストロフィーを患っていることがわかった場合、たいていは母親の検査を行って軽症の筋強直性ジストロフィーを持っていることがわかるが、1割程度は父親由来で重くなっているのが現実としてある。1割というと無視できない確率。お義兄さんの場合も、父親由来で重くなったことは十分考えられる。

 

1世代で先天型まですすむこともあるのに、なぜこの病気は自然淘汰しないのか?

【質問】

お義兄さんのように独身で発症し、すでに仕事もできず生活に支障が出ている場合、子どもを持つ可能性は低いはずです。先天型の人もそうだと思います。一世代で先天型に進むこともある(軽症型の親から先天型の子どもがうまれる等)ということは、病気に気づいている人は子どもを持たない可能性が高いですよね?それなのに、なぜこの病気がなくならないのか。とても不思議です。なぜこの病気は自然淘汰しないのでしょうか?

【回答】

軽症のまま、脈々と受け継がれ、あるとき古典型や先天型となって発症する。子どもを持たない人もいるが、保因または発症していることに気づかず子どもをもつ人も多い。一世代で先天型にもなるが、先天型が出てくるまでの間に長い世代にわたって受け継がれてしまっているため結果的に保因者は一定数がいることになる。世代を超えるたびにCTGリピートが伸長することが多いが、逆に短縮することもまれにある。そうやって受け継がれていくためこの病気は自然にはなくならない。

 

ガイドブック以上のことを勉強したい場合、どうしたら良いか?

【質問】

「筋強直性ジストロフィー 患者と家族のためのガイドブック」を読みました。病気についてこれ以上のことを勉強したい場合、どのような手段がありますか?

【回答】

RemudyのサイトやGeneReviewJapanのサイトでお医者さん向けの内容があるので、そういったもので勉強できると思う。わからない言葉が出てきたら質問してくれたら答える。

 

お義兄さんに早く遺伝子検査を受けてほしいが担当医に何と頼めば良いか?

【質問】

普通に頼めばいいんじゃない?と思うかもしれませんが、セリフを考えてあげて、お医者さんがそう言ってたよ、という専門家の力で背中を押してあげないと医者にものがいえない人たちです(お義兄さん&お義母さん)。また「やる必要はないと思う」などと軽く拒否られたときに簡単に「じゃあいいです」と言って引っ込めてしまうことは、想像に難くありません。やるとなっても「じゃあ次回に」などとまた3カ月先延ばしされるのも困ります。これは私たちの事情ですが・・・。ということで今日はどのように話して頼んだらスムーズに素早く実施してもらえるか、ということを質問しようと思っていました。(お義兄さんは治験を受けたいので、登録の条件である遺伝子検査を希望しています)

【回答】

お義兄さんが受けてから、こちらも遺伝子検査を受けるのがベストだが、お義兄さんの結果が出るまでこちらが受けられないということはない。もしお義兄さんが筋強直性ジストロフィーではなかったときには、受けた検査が意味のないものになってしまうということを了解した上でなら、先行して検査を受けることは可能。セリフについては、よろしければお義兄さんの担当医に向けて、こういった事情で遺伝子検査を希望しているという内容で手紙を作成する。

 

難病の医療費のことや障害年金のことなど、最初の相談窓口は?

【質問】

指定難病の場合の医療費は一体何が助成されて、何にお金がかかるのか?また障害年金の制度は複雑すぎて少し勉強した程度ではぜんぜんわかりません。個々のケースによっても異なるようで、専門家の手を借りる必要があります。この場合は社会保険労務士さんになるのですが、人によって障害年金申請のケースを多く扱っている人とそうでない人がいて、得手不得手があるようなのです。社会保険労務士さんへの相談は有料となることが多いです。最初から有料ではなく、まずは無料で相談できる窓口はないのでしょうか?こんな時は、最初にどこへ相談に行くものですか?

【回答】

大きな病院ならソーシャルワーカーがいるはずだから、その人に相談してみてください。その地域の制度に詳しく、手続きについても熟知しているはず。地域連携室・患者支援室などという名称で設置されていることが多いと思う。また、京都大学医学部附属病院のソーシャルワーカーに相談することも可能かどうか、確認する。何の情報が必要かなど間接的にでもサポートは可能だと思う。

 

前回の宿題を提出

前回いただいたマトリクスを埋めたものを提出し、それについて話し合いを行いました。

検査する 検査しない
陽性 陰性 発症する 発症しない
メリット
デメリット

 

遺伝子検査を受けるメリット

陽性の場合

  • いつ発症しても大丈夫なように備えられる
  • 子どもに症状が出たらすぐ気づくことができる
  • お互いの家族に話して理解、協力を求めることができる
  • 将来子どもへ伝えるときにどうしたらよいか考えることができる
  • 出生前診断、着床前診断といった方法を利用しての妊活について話をすすめられる

陰性の場合

  • 自分が罹患するかもという不安が解消する
  • 子どもの無事がわかる
  • すぐに2人目の妊活がスタートできる
  • 義実家の介護計画をたてることに集中できる

遺伝子検査を受けるデメリット

陽性の場合

  • いつ発症するかわからない不安とプレッシャーのために夫婦ともに日常生活がつらいものになる可能性がある
  • 子どもに遺伝している可能性を考えて罪悪感からつらい思いをする
  • お父さんを恨むかもしれない
  • 自分の子ども2人とも難病だと知ったら、お母さんがショックを受け、打ちひしがれる。立ち直るのに相当時間がかかる
  • 夫婦の両親が孫への遺伝を心配して大きな不安をかかえて余生を過ごす
  • 子どもにいずれ説明しなければいけない

陰性の場合

  • 妊活をストップしていた時間をもったいないと思うかも

遺伝子検査を受けないメリット

発症する場合

  • 発症するまでの間、自分は保因者ではないかもしれないと夢を見ていられる
  • 両親が亡くなるまで夫が発症しなかったまたは隠し通せた場合、両親は弟の方だけは大丈夫だったと思える

発症しない場合

  • 病気と無縁でいられる。というのが本来のメリットかと思うが、すでに兄が発症しているため無縁にはならない
  • 年を重ねるにつれ不安がうすれていく

遺伝子検査を受けないデメリット

発症する場合

  • もしかしたら保因者かも?発症するかも?と不安を抱えたまま生きる
  • ちゃんと準備ができていないので、発症した後で家族の金銭的肉体的精神的負担が増える
  • 夫婦の両親が孫への遺伝を心配して大きな不安をかかえて余生を過ごす
  • 妊活ができない

発症しない場合

  • 妊活ができない。
  • 夫婦の両親が孫への遺伝を心配して大きな不安をかかえて余生を過ごす
  • 自分や子どもが発症するかも、という不安がずっと続く。家族、親族の間でもずっと続く

考察

検査を受けるメリットは大きく、デメリットはそれに比べ小さいこと。兄が古典型で発症しており、二人目を希望していることからも、遺伝子検査を受けないメリット・デメリットともにあまりないことに気づきました。また、夫が陽性だったとしても、今すぐ悪化するわけではなく、少しずつ症状が出てくるわけで、リハビリをちゃんとしていれば定年まで働くことは可能と思われます。このマトリクスを見るうえでは、検査を受ける方に圧倒的に気持ちが固まります。ただし、今は考えないでと言われたことですが、一番の問題は子どものことだということもわかりました。陽性だった場合、夫より子どもが先に発病するかも?子どもにいずれ説明しなければいけない・・など、そちらが圧倒的に心にずしっときます。そして、夫が陽性の場合、着床前診断や出生前診断が受けられるものと思い込んでいたのですが、そうではないようです。夫のように症状もなく、男性からの遺伝の場合同じくらいの程度で遺伝することを考え合わせると、着床前・出生前診断というのは受けてもらえるかわからないそうです。というか難しいみたいです。

夫の検査については、「検査する」一択状態です。検査結果が出るまでに、私は「もしかしたらもう妊娠出産はできないかも」ということについて覚悟をしておく必要があります。陽性だとしても踏み切る可能性もありますが、そちらについても覚悟が必要です。

今いる子どもについては、陽性だとしても、いずれにせよ私たちにできることをすべてやっていくしかないし、愛していることに変わりはありません。もっと子どもがほしかったけど、そうじゃない家族になったとしても、幸せを目指して生きていくことに変わりはありません。そもそもアラフォーで妊娠自体できないかもしれないし。実際に病気を患っているお義兄さんのことや、これから検査を受ける夫のことなどをずっと考えてきましたが、自分の人生にも大きなインパクトのあることなんだ、ということをやっと実感しました。

夫は、発症前遺伝子検査を受けます。今いる子どもは愛します。二人目は検査結果が出てから考えます。当たり前ですが、これが基本方針で、陽性のときに失うもの、これについて失う覚悟をしっかりしておこうと思いました。

 

遺伝子検査を受ける当事者(夫)が心理テストを受けました

約1時間がたったところで、夫が心理テストを受けることになりました。45分ほどの予定でカウンセラーの方と別室へ。私はそれまでいた部屋に残り、准教授の先生と大学院生の方とお話を続けました。お話が済んだら、廊下のベンチなどで待っていてもOKと言われましたが、何となくお話している間に時間になり夫が戻ってきました。

心理テストの前に自分の人生の波を表すグラフを書き、高いときや低いときにあった出来事、どのようにしてそれが起こったか、どのようにして浮上したか、といったヒアリングがあったそうです。そのあとに2つの心理テストが行われました。これは、困難な状況に陥ったときにどのように復活することが多いのか、という性格的な傾向を知っておくためにやっているそうです。また、本当に夫の意志で発症前遺伝子検査を受けたいと思っているのか?の確認があったようです。

夫が受けた心理テストは下記の2つで、結果は次回きくことになりました。

  • エゴグラム(TEG)
  • POMS

エゴグラムとは

複雑な性格を5つの心の領域(CP・NP・A・FC・AC)に分けて分析する、性格診断テストです。自我状態をグラフ化し、性格のクセをとらえるのに役立ちます。

  • CP(Controlling Parent)お父さん度
    CPは、厳しさを表します。キーワードは正義感、道徳心、責任感、良心など。
  • NP(Nurturing Parent)お母さん度
    NPは、優しさを表します。キーワードは思いやり、寛容性、受容性、共感性、心の広さ、面倒見の良さなど。
  • A(Adult ego state)大人度
    Aは、客観性を表します。キーワードは知性、理性、冷静さ、論理性、判断力、計画性、情緒安定性、など。
  • FC(Free Child)子ども度
    FCは、自由な感情表現を表します。キーワードは直感力、創造性、自由奔放さ、好奇心、自発性、活気、愉快さ、表現力、など。
  • AC(Adapted Child)いい子ちゃん度
    ACは、協調性を表します。キーワードは素直さ、協調性、忍耐力、奥ゆかしさ、礼儀正しさ、など。

POMSとは

POMSという心理検査は、受けた人の最近の持続的な気分状態を把握するもので、過去1週間の「気分の状態」について6尺度で測定されます。自分自身の気分に対する気づきを深め、周囲の人や状況への対処に役立てることができるそうです。

  • T-A  緊張感、不安感
  • D   憂鬱感、自信喪失感、うつ病の判定
  • A-H  怒り、敵意
  • V   躍動感、活力で他の尺度と反対の得点
  • F   ぐったりする、意欲減退
  • C   頭の混乱、思考力の低下(うつの手前)

緊張・抑うつ・怒り・活気・疲労・混乱の6つの因子を同時に測定でき、下記の特徴を備えているそうです。

  1. 性格傾向を評価するのではなく、その人のおかれた条件の下で変化する一時的な気分・感情を測定するテスト。
  2. 過去1週間の「気分の状態」についての65の質問項目に答える質問紙法の検査。
  3. 時間 約15分。
  4. 採点は、その場で迅速・容易に行え、各因子ごとの合計点で判定する。

もし陽性だったら、どう思うか?

夫が心理テストのため退室した後、私はいくつか質問を受けました。

【質問】もし夫が筋強直性ジストロフィーになったらどう思いますか?

【回答】陽性だとしても、リハビリなどをがんばったり、適切なモニタリングをすることでできるだけ健康な状態を維持するように努力してくれると思う。それに、今発症したとしても、ゆっくり進行するし、幸い営業職などでもないので、定年までは働けると思う。

【質問】Kaoriさんはお義兄さんをみてどう思いますか?

【回答】お義兄さんは、道行く人が皆振り返るような異様な状態だったが、病気だとわかってからは何とも思わなくなった。むしろ杖や歩行器を使うなどして周囲の人にも病気であることをアピールした方が良いのでは?と思う。

【質問】陽性だったら(夫は)どのような反応をすると思いますか?

【回答】ショックは受けると思う。でも結果を知る前日と当日と翌日と、体は何も変わらないし、仕事も普通に続けると思うので静かに日常に戻っていくのではないかと思う。最大の心配事が子どものことになっていくと思う。

その他、いろんなお話をしました。あっという間に45分がたち、夫とカウンセラーの方が戻ってきましたので、どんなテストをしたのかいろいろ教えていただき、この日は終了となりました。

 

次回以降のスケジュールと宿題。遺伝子検査の日程が確定!

次回は、これまでと違う先生と一度面談をさせていただくことになりました。そして、その次の回には神経内科を受診し、今現在本当に何の症状もでていないのかを診察していただきます。何と、その同日に発症前遺伝子検査を受けることになりました!それがもっとも短縮できる日程だそうです。ありがたいことです。具体的に日程が決まってくると、とたんに緊張感が高まります。前述した覚悟を、私は急いで固めなければ。。。

今回の宿題は、「夫が陽性だった場合に、家族(特にお義母さん)にどのように伝えるか?」を考えてみることです。お義兄さんが病気だとわかったときのお義母さんの落ち込みようはとても酷かったのです。今もショックを受けていると思います。そんなお義母さんにどんな言い方で伝えるかを考えてみることになりました。

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