2人目がほしいけど、義兄が筋強直性ジストロフィーを発症しました。発症前遺伝子検査や遺伝カウンセリング、治療・リハビリについてレポートします。

筋強直性ジストロフィーの家族計画・介護計画

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遺伝子検査

日立総合病院で確定診断の遺伝子検査を忙しいから無理と断られてしまいました

投稿日:2017年3月10日 更新日:

お義兄さんは患者登録のため、その条件である遺伝子検査を希望しています。お義兄さん、お義母さんの二人ではきちんとお医者さんに説明できないとのことで、私たちもお義兄さんの3カ月ぶりの診察に同席し、直接担当医と話すことにしました。私たちが遺伝カウンセリングでお世話になっている京大の先生に、お義兄さんの担当医あてにお手紙を書いてもらい(内容は患者本人が患者登録のため遺伝子検査を希望しているのでよろしくお願いします、というもの)それを持ってのぞみました。が、表題のとおり信じられない結果になりました。正直まだショック状態ではありますが、事実を記録します。

血液・尿・知能検査結果の確認

CK値が2000以上と高くなっていました。前回よりも高いそうです。また、それにつられて肝機能の数値も高くなっているとのこと。確かにすべてにH(High)マークがついています。でも、それ以外は糖尿などもなく、特に問題はないそうです。

知能検査も前日に実施していました。結果は22/30点。この結果は低いそうです。また、以前より低くもなっているそうです。つまり3カ月の間に悪化したということ。次回は、脳のMRIを行うそうです。

 

遺伝子検査のお願いをするも絶対拒絶

夫から担当医へ「お義兄さんに遺伝子検査を受けさせてほしい」と話をしました。お義兄さんが治験を受けたいと考えていて、患者登録のためには遺伝子検査を受けて診断が確定している必要があるから、と説明しました。そして、自分も遺伝子検査を受ける予定で、そちらでかかっている先生からのお手紙です、といってお手紙が入った封筒をお渡ししました。どのようにして事実を書き残すべきか考えたのですが、以下に、担当医の先生のお話と、それに対するフォローを赤字でご紹介することにしました。

  • 遺伝子検査なんて簡単には受けられない。カウンセリングなど時間がかかる。保険も使えないから何万円もお金がかかる。治る見込みのある病気の人は受けることもあるが、そうでない人にはおすすめしていない。
    →発症している人の遺伝子検査は保険適用でできる。
  • (夫に向かって)発症前遺伝子診断なんて受けられませんよ?(笑いながら)知りたいですか?
    →発症前遺伝子診断は受けられる病院は限られるが、現在では可能。
  • 自分の遺伝子診断のためにお義兄さんに受けさせるなんてことはありえない。あくまでもお義兄さんの希望あってのこと。
    →患者登録をしたいからと言っている。となりでお義兄さんも受けたいと言っている。
  • うちでは治験をやっていないので遺伝子検査は受けられない。
    →この病院で治験をやっている/いないことと、遺伝子検査を受けられるかどうかは関係がない。ここの病院で治験を受けたいのではなく、治験を受けるためにはまず患者登録サイトで登録が必要で、その条件が遺伝子検査による確定診断がなされていること、と再度説明。
  • とにかくこの病院では忙しくて時間がとれないので無理。
    →いろいろな言い方で拒否されましたが、結局は忙しいので無理、と・・・。地域で唯一の大きな病院なので、お忙しいとは思います。
  • 「で、この手紙はどうしましょうか?」(といいながら読みもせず返そうとする。)誰も受け取らないので、「とりあえず預かっておきましょうか」(といいながら棚の上にぽんとおく。おそらく看護婦さんたちがどこかへしまって終わり?)
    →せっかくのお手紙ですが読んでいただけないかもしれません。そんな雰囲気でした。

とにかく頑なに検査を拒まれました。ここの病院では対応できないから、どこどこへ、という話もありませんでした。というよりも遺伝子診断を受けること自体をあきらめさせよう、そんなことには意味はないよ、といわれているように受け取りました。

 

診察中、診察後の心境

話している最中から目の前が暗くなっていくようでした。ナイフというよりもノコギリが飛んできて、それで心と体をギザギザに切り刻まれる感じ。痛くて痛くて泣くのをこらえて立っているのがやっと。こんな先生に診てもらうしか、ないなんて・・・。

メールなど文字で表現された文章は冷たい感じになってしまうとよく言われますが、実際の言葉はもっと冷たくて強い感じです。発声はソフトでも語気が荒くなる瞬間があり強制的。病気で弱気になっていたり不安を抱えていたりする患者や患者家族の心を折るには十分な残酷さでした。お昼の予約時間から1時間半たっており、かなり遅いお昼ご飯だったにも関わらず全員の食欲がほとんどなくなっていました。赤ちゃんを連れて8時間もかけてこの遺伝子検査のお願いのために移動してきた私たち。京大の先生にお手紙まで書いていただいて。その苦労を労おうと、お義母さんはお寿司屋さんを予約していてくれましたが、みんな、ほとんど口にすることができませんでした。

まずは、ショックで、ショックで・・・。確定診断なのに“忙しいから”と遺伝子検査を断られたこともそうですが、保険がきかないなどと誤った知識で診察をしていることも、目の前で治らない病気と口に出されたことも、せっかく書いていただいた手紙を読まずに返そうとしたことも。昨晩徹夜状態でかけつけて、遺伝子検査を受けるという結果を残せなかったこともむなしい気持ちになりました。

診察後は落ち込んでいましたが、翌日にはこのショックは怒りに変わりました。この地域ではこの病院にかかるしかないのに!遺伝子検査のために時間をとってくれない=お義兄さんの人生をつぶすことになるのに!忙しいからって希望を打ち砕き、人一人の人生を絶望に染めるなんて医者のやることか!発症前遺伝子診断を受けられないものと決めつけている古い知識でいるくせに!「知りたいですか?」って質問も無神経!しかも笑いながら!こっちは何カ月も遺伝カウンセリングを受けてきているのに、失礼!

そして怒りは憐れみに変わりつつあります。何かしら使命感があって医者になったはずなのに、時間に追われ、医師人生の終盤に入っているのに患者をさばくだけの診療。難病に苦しむ家族をどん底に突き落とし、言い方を変えるだけで違うのに、そのコミュニケーションができない未熟な医者。かわいそうです。かわいそうな人なんだ、と思って憐憫の情を使って自分の傷を埋めていきます。癒すことは誰にもできないので、なかったことにして時間をかけて忘れていきたい。そのぐらいひどい目に合いました。医者がすべての患者に時間をゆったり使って気持ちに余裕を持って診療なんて無理だって私も思っています。でも今回のことはあまりにもひどい。無知を責める気はありませんが、謙虚に受け止めたり、言葉を選んだり、ほかにいくらでもやりようはありました。その中で最悪の対応をぶつけてきたこと、そうしかできなかったことを憐れみたいと思います。

悲しいことですが、難病の患者さん、そしてその家族が一度は通る道なのかもしれません。患者数が少ないので、診察したことがあるお医者さんも少ないでしょうし、難病というのは数多くあります。それらすべての最新情報を常に頭にいれているというのは難しいでしょう。そんな中で、特に地方では「この病院しかない」という状況もよくあることですから、自分や家族の難病について詳しいお医者さんに当たる確率は低いですよね。詳しくないお医者さんに当たって希望を打ち砕かれたり、心無い言葉に傷ついたり、何年も同じ治療を繰り返したあげく「早く言ってよ!」というようなほかの治療法があったり、こちらからお願いしているのに頑なにダメと言われたり、そういうことと戦っていくのが運命なのかもしれません。本当に悲しいことですが。

 

これからどうすべきか

遺伝子検査はどこの病院でも受けられるそうなので、改めて検査を受ける病院を探すことにしました。とにかく歩行困難なので、電車とタクシーで行きやすいところ、なるべく乗り継ぎなどで歩かなくて済むところを探します。今の病院では、リハビリだけを受けるようにしていきたいと考えています。

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